背景となった全国一律賃金体系というのは、小刻みの年功序列方式になっていて、管理職になったからといって急に高い給料が出るわけではない。役所などはいまだに「何等級・何号俸」という給料体系だが、役職(等級)とともに勤続年数(号俸)も給料の重要な要素になっているため、いくら同期より早く出世しても、給料は二割も差がないのである。だから、役所では、勤続二十年の課長と勤続四十年のベテラン女性事務職とでは、後者のほうが給料が高いという珍現象が起きるのである。
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役所に準じた給料体系をつくったのが元国営企業のJRやNTTで、こうした大組織は「全国一律賃金」が当たり前だった。いや、日本の企業のほとんどすべてが「全国一律賃金」だったといってよい。銀行マンもそうだ。メガバンクも「全国一律賃金」であるから、地方の支店長あたりがいちばん豊かな生活を送れる。なまじ東京に戻って出世レースで身も心も削るより、早めに転勤を拒否して出世レースから降り、地方勤務を続けていれば、ゆとりある穏やかな人生を送れたのである。